プロゴルフの試合を観戦していると、選手とキャディーが何かメモを見ながら話し合いをしているシーンを見ることがあります。
また選手が打つ直前にメモを再確認して、後ろポケットにメモをしまう仕草を見ることもあります。
いずれも、何を見ているのかというと、そのホールの情報が載っているメモを見て、どこに打つのかを決定しています。
そのメモのことを「ヤーデージブック」と言います。ゴルフメモなど別の表現もあるようですが、この記事では「ヤーデージブック」に統一しておきます。
今回は、その「ヤーデージブック」について、解説していきます。
こんな人におすすめの記事
✔️プロが見ているヤーデージブックの中身を知りたい
✔️ヤーデージブックの使い方を知りたい
✔️ヤーデージブックを自作するヒントにしたい
目次
ヤーデージブックとは
ヤーデージブックは、各ホールのポイントとポイントを結ぶ距離が、何ヤードかを記録している、または記録するためのツールです。
例えばティーグラウンドからフェアウェイにあるスプリンクラーまでの距離や特定の木からグリーンエッジまでの距離などが記録されており、さらに別の情報を書き込むことができます。
通常、ヤーデージブックにはゴルフコースのホールの配置図が含まれており、それぞれの距離や障害物、戦略的なポイントなどが表示されています。ボールをどこから打ち出し、どのくらいの距離を飛ばせば良いのかを把握するために役立ちます。
ヤーデージブックを使うことで、プレーヤーは効果的なクラブ選択やショットの戦略を立てることができます。
たとえプロゴルファーであったとしても、未知のゴルフコースや戦略的なプレーが求められる場面では情報量が大切なので、役立てることができます。
ヤーデージブックは一般的にプロゴルファーや上級者が利用することが多いですが、初心者でもコースをより効果的に攻略するために活用することができます。コース攻略のためにヤーデージブックを作成することは、ゴルフの戦略を深める一つの方法といえます。
なぜヤーデージブックが必要なのか
プロといえど全てのゴルフ場の全てのホールについて記憶しているわけではありません。毎年同じゴルフ場で行われるトーナメントコースであっても、改修工事で景観が大きく変更になるケースも少なくありません。
ヤーデージブックの最大の目的は情報収集と整理をし、それをアウトプット(活用)すること。
つまり、古かったり正しくない情報であればそれは無意味な情報となります。
最新の正しい情報を得るために、プロゴルファーは試合前に練習ラウンドを行っています。試合前の指定練習日が定められているので、その時に必要な情報を整理する必要があります。
そこで得た情報を試合当日に活かすために、色々な情報を集めるわけです。
では、集めた情報はどのように活用されるのでしょうか。活用方法は無限にありますが、主に攻めと守りにわけで3つづつ紹介していきます。
攻めの3ポイント
ポイントはアドバンテージを活かすことができるか
見えないところに打つ時の参考になる
山越えのショット、ドッグレッグのショートカットなど落下地点の情報がない状態でショットするのははギャンブルといっても過言ではありません。
そんなことをプロがすると思いますか?見えないところに打つ時は、どの方向にどれだけ打てばどんな状況かを想像してショットします。
そういうショットの参考になる情報がヤーデージブックに記載されています。
グリーンのどこに運べばチャンスになるかがわかる
プロにとってパットを打つときは、上りのラインが好まれます。より直線的に強く打てるというのが理由です。
逆算した場合そのラインにボールを置きたいわけです。
そこがどこなのかを事前情報として入手しておけばそこを狙って打つことができます。
池超えショットのキャリーがわかる
バンカーを超えるのに何ヤードか、クリークを超えるのに何ヤード打つ必要があるかということも情報として多いに役立ちます。
どうしても超えないと判断した場合は、そのハザードの手前に刻むという選択肢もでき、戦略の幅が広がります。
また、グリーン近くに大きな木があってその木の右を打った方がいいのか、左の方がいいのかをピンの位置によって判断したりもできます。
守りの3ポイント
ポイントはダメージをいかにして少なくするか
打っては行けないところがわかる
ティーショットが右に行けば前の木が邪魔になってグリーンは狙えません。左に打つとラフに行ったとしてもグリーンが狙えます。となった場合、右はダメだなと判断ができ、たとえラフに行ったとしても、左であればダメージは少ないと判断できます。
刻む際の計算ができる
ティーショットをドライバーで打つと、フェアウェイが絞られたり、丁度バンカーがあったりすることがあります。そういう時は思い切って届かないクラブで打つこともできますし、絶対にラフに入れたくない時は、距離が残ってもいいのでアイアンで打つという選択ができます。
トラブル時の対応のヒントになる
隣のホールに打ち込んだ時などトラブルになった時は、とりあえずその次にいい条件で打てるところに運びたいです。
しかも、その残り距離がわかれば自信を持ってそこに打つことができ、精神的ダメージを少なくすることができます。
ヤーデージブックの使い方・見方
ではヤーデージブックには具体的にどのような情報が載っているのでしょうか。
コース全体の情報
より広い範囲の情報として参考にしたいのは、各ホールの配置です。ティーマークからグリーン方向に打っていくわけですから、向きによって風向きが変わります。
全体のホール位置を把握することは、風向きや太陽の位置などの把握に役立てることができます。
ホールによってティーマークの位置とクリーンの方向が違うので。風向きは大切。
このメモには北風〜北東の風と書いています。
各ホールの情報
少し狭い範囲でわかることといえば、各ホールの情報となります。ティーマークから何か目標になるものまでの距離、また目標からグリーン(エッジ)までの距離になります。
グリーンエッジまでわかれば、事前に渡されているピン位置の表を参考にして、ピンまでの距離が計算できます。
また、高低差も表記がされています。
距離計でも高低差が出るものがありますが、競技では高低差表示が禁止になっていますので、ここから情報を得ることになります。
見方はある程度慣れないと瞬時に判断することが難しい。
それゆえ距離計測器の使用が時間短縮に最適。
グリーンの情報
さらに細かい情報としては、グリーンの情報になります。
アンジュレーションに関しては傾斜2.6度未満の傾斜はヤーデージブックに表記できないこととなっており、さらにカラーでの表記ができなくなっています。
情報が細かすぎてプレーの進行の妨げとなるようで、グリーンの情報は以前に比べ少し大雑把になっています。
自分があかれば良いので、練習ラウンドの時に走り書く。
また当日カップの位置もチェックをする。
ヤーデージブックを自作するなら
以上の情報を参考にして、情報を載せることができればいいのですが、スプリンクラーまでの距離や高低差、ブラインドホールの方向など自作するにはハードルが高い項目もあります。
ゴルフ場全体の配置はスコアカードに印刷されていたりもしますので、それを参考にすれば対応可能です。
また、各ホールのホールロケーションは色々なサイトの情報や、該当するゴルフ場のホームページを見ることで情報を収集することができます。
情報収集には欠かせないアイテム
自作でヤーデージブックを作るのには何を使用して情報えを得るのでしょうか。
色々な方法がありますので。さまざまな角度からより正確な情報を得たいですよね。
複数のツールを使用することによって、より正確な情報を得ることができます。
ゴルフナビ(カート設置)
最近ではカートにもナビがついていることが多くあり、スコア入力もできたりします。
ホールロケーションやピン位置、グリーンの形状やアンジュレーションを確認できたりします。
ただし、カートからピンまでの距離なので、ボールからではないということです。
また、ナビの種類によって情報の表示の中身や方法も違いますので注意が必要です。
飛距離に関しては、距離計測系を使うなどして足りていない情報を補うことができます。
ポータブルゴルフナビ(GPS)
手持ちのナビは非常に便利です。ホール全体を確認できるのと、ボールからハザードまでの距離、ピンの位置も確認できます。最近は腕時計型もあるし、情報量も多い。
細かなハザードまでの距離がどこまで表示されるのか機種によるので、特定の木などは個別で測る必要がある。
何ヤード打てばいいか概ね知ることができます。
また、実際のショットの距離も表示してくれるので、記録を残す上でも役に立ちます。
高低差が出ない機種もありますので、注意が必要です。
しかし、距離が明らかにおかしい時があるので、にわかに信じられない時がたまに発生します。GPSの電波状況にもよるのでしょうか。
ピン位置はゴルフ場の対応機種によって違いますので、お手持ちの機種やゴルフ場の確認をしてください。
しやべってくれるナビもあります
スマホアプリ
スマホでのナビも種類もいくつかあるようですね。
ラウンドしていて、スマホ片手にプレーしている人はみたことがないので、果たして使用感がいいものなのか疑わしいのと、あまり普及をしていないことを考えると上質ではないのかなと思ったりします。
スコア管理などでは非常に役に立ちますし、スタッツ分析もしてくれるので記録用としてのアプリは使用満足度も高いと言えます。
いいアプリがあれば是非コメント欄に情報いただけるとうれしいです。
距離測定器
私は距離測定派です。直線的にしか計測できずまた、競技では高低差は表示していないので、測れるものとしては直線のみ。
しかし、目標になる木までの距離や、ハザードのヘリまでの距離も測定できるので、情報としては問題なく利用しています。
今のところベターな案としては、ゴルフ場設置のナビを使いながら計測器を使用するパターンでしょうか。
実際の競技にも使用しており、私がキャディーをしていた時もヤーデージブックと合わせて距離計測器を使用しました。
ベストな案としては、「ヤーデージブック」+「距離計測器」なのでしょう。
より詳しい情報が載っているヤーデージブック欲しくなりますね。
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