日々どのようにしたらゴルフが上達するのかを考えておられる皆様、ぜひ「ゴルフ観戦」に行きましょう。
なぜならそれこそが上達する大切な要素が詰まっているからです。
ゴルフを見に行ったことのある人ならこういう感覚はありませんか。
✔️観戦していて、なんか上手くなった気がする
✔️観戦していて、なんかできなかったことができそうな気がする
✔️観戦していて、ナイスショット打てそうな気がする
これこそが、上達するポイントなのです。もしかしたらすでに上達してるかもしれません。
なぜそのようなことが言えるのかを論文のご紹介を交えて解説していきます。
みなさんにとっての「推しゴルフファー」をぜひ生で応援しに行っていただければ、ゴルフも上手くなるし一石二鳥です。
では早速上達の理由から解説していきましょう。
目次
イメージトレーニングはパフォーマンスに影響するのか
様々な研究によって、エリートアスリートのハイレベルのパフォーマンスには、イメージの活用が貢献すると言います。
スポーツにおけるイメージは、意識の制御下にある準感覚的、準知覚的、及び純感情的な特性を含む記憶情報から生成された経験の創造または再現であると定義されています。
噛み砕いていうと、実際には見ていなかったり、触っていないし、動いてはいないけど、その状況にあるということを想定して、経験しているということを想像してしているということになります。
それを「イメージ」と表現していますが、イメージする能力を高めてその効果を最大限に活かす方法がイメージトレーニングです。
私も勘違いしていたのですが、イメージトレーニングってイメージすることそのものをさしていると思っていました。イメージするにも能力が必要だということで、それを鍛えるからイメージトレーニングになるのですね。
それを図式化したのが、Cummins and Williams(2012)の「意図的なイメージ利用の改訂応用モデル」になります。
意図的なイメージ利用の改訂応用モデル
このモデルは、「場所と状況」(where&When)と「個人のキャラクター」(Who)がイメージする理由(why)に影響を与える。そして個人的な意味づけ(means)によって、何を(what)イメージするかが決定されます。
そして、この図でいう「Imagery Ability(イメージ力)」を鍛えることで、より精度の高いイメージが行え、かつそれをoutcomeできるということになります。
実は、この「Imagery Ability(イメージ力)」は測定することができます。
「The Sport Imagery Ability Questionnaire Manual」という論文の中で、スコア化することにより、「スキルイメージ」「戦術イメージ」「目標イメージ」「統御イメージ」の能力を知ることができます。
日本語版もあるようなのですが、ネットでこれができるというサイトはありませんでした。
日本語版の作成と妥当性の検討をした研究もありますので、参考にしていただければ。
イメージ力を高めることで、よりクリアなイメージが可能となり、outcomeを得ることができるのです。
続いて、イメージトレーニングをするときの大切なポイント「PETTLEP」について理解しておきましょう。
PETTLEP
このモデルは、スポーツにおけるイメージトレーニングに運動イメージを適切に用いることを意図して脳科学の成果をもとに運動イメージトレーニングをモデル化したもの。
下記の状態でイメージトレーニングすると効果があるというものです。
P(Psysical):実際の運動時の状態と一致させる(服装など)
E(Environment):実行する場所を同じにする、また類似させる
T(Task):実際の動きと同一の動きをする
T(Timing):競技時間を合わせる
L(Learning):その時の学習段階をイメージに反映させる
E(Emotion):ストレスなど感情的な状況も反映させる
P(Perspective):一人称視点か、三人称視点か
下記記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてお読みください。
この記事の目次欄を見ていただくと、リンクがありますのでそこから解説を読むことができます。 【本解説】スポーツ心理学
で、イメージトレーニングが大切なのはわかったが、推しの応援とどう関係しているのかということについて。本題に入っていきます。
推しを生で応援したら上達する理由
まず、10年前に野球観戦に行って、遠くからピッチャーの投球を見たことを思い出してイメージすることは、先ほどから言っている「イメージ力」は高い状態でしょうか?低い状態でしょうか?
一方、目の前で豪速球を投げるピッチャーを見て、体の使い方や、球の速さ、軌道、キャッチェーミットに治る音、投げた後の所作などを生で見たことをその場で、すぐにそのピッチャーの動作をイメージしたとしたら、「イメージ力」は高い状態でしょうか、低い状態でしょうか。
つまり、より間近で高い技術を見ることによって、その動作、周りの環境、動作の後の雰囲気全てにおいて感じることができませんか。
そしてそれは、ゴルフ場の生の観戦が最も効果的であるといえます。
生で応援することの重要さ
ゴルフ観戦は交通の便などを考えると、意外に周りでは行ったことがない人が多いです。
ここの記事のテーマである「推し」を作ってぜひ会場に足を運んでいただくと、イメージ力向上につながるいいことがたくさんありますので、解説をしていきます。
イメージの概念について先ほど解説しましたが、それに照らし合わせて考えてみましょう。
✔️準感覚的:PETTLEPでもポイントとしてあげているように、ゴルフ場にいることがまず、環境としてGoodということになります。
芝の上に立ってその選手が打つターゲットも見て、同じ風や空気を感じていることはゴルフ場に行かないと体験できません。
ナイスショットの後のギャラリーの声援、それに応える選手の表情などの情報を得ることができます。
✔️準知覚的:インパクトの音を聞く、ボールが飛んでいく軌道を見る、打った後のフィニッシュをみる、歩き方を見るなどの情報を得ることができます。
✔️純感情的:選手の高揚感、緊張感、ミスしたときの表情などの情報を得ることができます。
レギュラーツアーだけでなくてもプロの試合は観戦可能
Japan Golf Tourのホームページを見るとゴルフの試合の日程を確認ことができます。
いわゆるテレビで放送しているレギュラーツアーの他にも、下部ツアーとしてAbema tourがあります。
このAbema tourはだいたい入場料も無料で、駐車場も近くに停めることもできますし、選手も近くで見ることもできます。
下部ツアーといっても侮るなかれ、レギュラーツアーにも出ている選手もいるので、大変レベルの大会ものとなっています。
まさに間近で見れることができるイメージトレーニングにはピッタリです。
JGTOのホームページからでも検索できますから、一度足を運んでみてください。
テレビ観戦、youtube、連続写真はお勧めしません
先に述べていますので、概ねご理解いただいているかもしれませんが、PETTELEに沿っていないので効果としては薄いのではないかと個人的には考えています。
と考えるとイメージトレーニングという意味では、連続写真でイメージ力が良くなるわけがないですよね。(あくまでイメージトレーニング)
タイガーウッズの動画を見てイメージ力が良くなるというのも無理があります。(あくまでイメージトレーニング)
連続写真や動画によって、他の作用があって、それによって上達する可能性は否定しません。
技術的な解説は意味があると思いますし、私も参考にすることもあります。
何度も言いますが、イメージ力が上がるかという話です。
そういう意味では、この本は大変重宝しています。教科書的な要素は否定できませんが、内容は大変勉強になります。
スポーツ心理学を始めて勉強する人であれば、この荒木香織さんの本が入りやすいです。
私もここ数か月でスポーツ心理学を勉強し始めました。何か新しい学びがあれば発信していきます。
コメントを残す