ゴルフコンペの幹事を任された時に読むべき記事

練習の「質」にこだわりたい人必見!2つのポイントを意識しよう

物事の上達は「質」に依存するのでしょうか、「量」に依存するのでしょうか。

著書「タイガーウッズも震えている」ではこのようにあります。

練習の球数には限界があるのだ。目標に対する集中力が落ちてくるからだ。まったくの単調さと疲労が練習を的外れにさせ、そのために練習すればするほど、どんどんヘタになっていく人もいる(ジャック・ニクラウス談)

タイガーウッズも震えている

また、元プロ野球選手のイチローは著書「イチローインタビューズ」でこのように語っています。

質の高い練習を、誰よりもたくさん続けてきただけ

イチローインタビューズ

最強の組み合わせ「量」+「質」というわけですね。

「量」と言われるとなんとなく、イメージもつくと思うのですが、「質」ってなんなんでしょうか。

  • 目的を持つことでしょうか。
  • 妥協しないことでしょうか。
  • 緊張感があることでしょうか。
  • 集中していることでしょうか。

ネットで調べてみても、しっくりきません。
私の答えは、ゴルフの練習において「質」とは、
イメージした動きを再現すること。また、その精度を高めること。
ではないかと考えています。

今回はゴルフにおける練習の質について解説していきます。

こんな人に是非読んでいただきたいです。

  •  質にこだわった練習をしたい人
  •  短時間で練習の効果を出したい人
  •  一人で練習していて何をしていいかわからない人
  • スコアが伸び悩んでいる人
  • 教えてもらったことがラウンドでできなくて悩んでいる人

ゴルフにおける原因と結果

なぜ「質」が大切かという部分をまず解説します。

ゴルフは結果(スコア)のスポーツです。

最終的にスコアが競技結果となるので、どうしてもそこにフォーカスするのですが、実はその原因を掘り下げていくと根底に「イメージすること」にたどり着きます。

そして、イメージ通りに動けるかが本質的なポイントになります。

つまり、イメージの再現性を高めることこそが「質」高めるヒントになると考えます。

上記の図を説明するとスコアから逆算する方がわかりやすいかもしれません。

最終的な「スコア」という結果は「球筋・ボールの行方」という原因に影響します。その「球筋・ボールの行方」はクラブ軌道に影響します。

と掘り下げていくと最終的にショット前のイメージに辿り着くというものです。

誤解がないように説明すると、イメージだけではゴルフは上手くなりません。当然再現するための技術(スキル)を身につけることが先決になります。今回イメージの大切さを解説するのは、多くのアマチュアゴルファーは一人で練習するからに他なりません。

当然スウィングの技術力が高ければ高いほど動きの選択肢が増えます、つまり再現できるボリュームが多いということになり、さらに根本のイメージの選択肢が増えるというととになります。

しかも、結果にはそれだけではなく、コントロールができない外部要因も重なります。今回は触れませんが、結果にはコントロールができない部分も要素としてあることを理解しましょう。

そしてそれは「運」です。

本題に入ります。イメージを再現するために必要なこととして、

☑️イメージ通りに動けること

☑️セルフエフィカシー

が大切なポイントになります。体の動かし方とメンタルですね。

さらに掘り下げて解説していきましょう。

イメージ通りに動けること

合わせて読みたい
スポーツ心理学の中でイメージ通りに動くための解説をしています。 【本解説】スポーツ心理学

イメージ通りに動けることの大切さと中身は上記の記事で詳しく解説をしています。

キーワードは

  1. PETTLEPモデル
  2. G+F
  3. 「SMART」で目標を立てる

今回は、上記記事と違った切り口で、イメージの作り方を解説していきます。

ポジティブイメージVSネガティブイメージ

ポジティブイメージとネガティブイメージのどちらがパフォーマンスに良い影響を与えると思いますか?

多くの人は前者であると答えそうです。

しかし、実は後者の方がパフォーマンスが高かったというデータがあります。

参考論文

草山太一. “予測イメージがパフォーマンスに与える影響 ー反応潜時の比較ー.” 日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第 75 回大会. 公益社団法人 日本心理学会, 2011.

この論文では、

ポジティブイメージ群は、練習で一番成功したと考えるパターのストロークを思い出し、テストでもそのストロークと同じように成功することを具体的にイメージする。

一方、ネガティブイメージ群は、テストで失敗してしまう理由を考え、その失敗を克服するために行う努力についてイメージする。

としています。

そして、どのように評価しているかというと、練習の時とテストの時のパターを打つ時間を計測しています。

結果として、ネガティブイメージ群は練習と本番を同じタイミングでストロークしています。

上記参考論文より

イメージの作り方

上記論文を参考にしてイメージを作ってみるとこのようになります。

  1.  自分の悪い癖を知る
  2.  それは、どういう動きなのか
  3.  どういうミスが出るのか
  4. それを防ぐ動きは何か

その上で、悪癖を防ぐ動きをイメージし、再現する練習が「質」の高い練習の一つと言えるでしょう。

練習の時や実際のラウンドの時に仮説検証をして、傾向と対策を考えておくと良いでしょう。

イメージの作り方の参考に!
スポーツ心理学の中でイメージ通りに動くための解説をしています。 【本解説】スポーツ心理学

セルフエフィカシー

セルフ・エフィカシー(Self-efficacy以下、SE)とは、

ある結果を生み出すために必要な行動をどの程度うまく行うことができるかという個人の確信の程度を表す概念で、社会的認知理論の主要な構成要素である。同然個人によってその程度は違う。

つまり、「うまくできるかどうかの見込み感」「うまくできるかどうかの自信の度合い」を示すものである。

SEが高い人ほどパフォーマンスが高い、つまりイメージの再現性が高いと言えます。先ほどの図で言うと、グリッププレッシャを一定にする確信の度合いが、高ければ高いほど再現性が高いと言えます。

SEを高めるためには

SEを改善・増強させるには4つの情報源(Bandura, 1977)があると言われています。

  1.  Performance Accomplishments(遂行行動の達成)
  2.  Vicarious Experience(代理的経験)
  3.  Verbal Persuasion(言語的説得)
  4. Emotional Arousal(情動的喚起)

遂行行動の達成

実際に目標達成することが非常に大切になります。

成功はSEを高めるが、失敗はSEを低下させます。しかし,成功を繰り返すことでSEが充分に高められていれば、失敗してもSEに与える影響を減らすことができるとされています。

どんどんチャレンジして、小さくても成功体験を積み重ねていきましょう。

失敗しても、その原因を正しく帰属させることができれば問題ありません。その失敗は何が原因なのかを正しく判断しましょう。主に以下の3つに帰属できます。

あなたがゴルフが上手くならないとしてどの要因に当てはまりますか?

  1.  個人的、身体的要因
  2.  心理的要因
  3.  道具

そして、目標達成には目標の立て方も重要になります。

合わせて読む
ゴルフの目標設定におけるKPIについて解説しています KPIって?ゴルフ上達に使える指標を設定しみよう

代理的経験

他の人がうまく実行できている行動を見ることは、観察者のSEを高めるとされています。ゴルフ中継を見ていると上手くなった気がする状態といえば察しがつくでしょうか。他の人ができるのなら自分もできるはずだと自分を納得させている状況です。

しかし、これはあくまで他人が実行してることになるので、SEを高めるインパクトは弱いとされています。しかし、「真似る」と言う自分が行動するところまで落とし込むことができれば、SEも高まるでしょう。

そしてそれを繰り返すことで、自分自身のSEを高めるための合理的な根拠を持つことになります。

言語的説得

言語による説得によって、過去できなかったことでもできるようになる可能性があると言うこと。

また、より効果的に励ましなどからSEが高まるとされています。

しかし、環境面を整えることなく、説得によるパフォーマンスを上げようと期待することは、説得者の信用を失いかつ、受け手のSE低下につながるとされています。

情動的喚起

ものすごく難しい仕事を任されたとしましょう。その時ストレスがかかる一方、自分にはできると能力を評価されてその仕事を任されたと感じることはありませんか。

何かのプロジェクトを任された!全国から数人だけの研修に選抜された!など一時的にテンションがガツんと上がる状態こそがSEを高めるきっかけになっています。

そのような状態になると、その人は成功を予期していると言えます。

まとめ

「質」にこだわった練習ができそうですか?ゴルフ上達の足がかりになれば非常に嬉しいです。最後にまとめです。

まとめ

 

  1. Performance Accomplishments(遂行行動の達成)
  2. Vicarious Experience(代理的経験)
  3. Verbal Persuasion(言語的説得)
  4. Emotional Arousal(情動的喚起)

参考文献

1)草山太一. “予測イメージがパフォー マンスに与える影響 ー反応潜時の比較ー.” 日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第 75 回大会. 公益社団法人 日本心理学会, 2011.

2)Albert Bandura(1977),Self-eificacy: Toward a Unifying Theory of Behavioral Change

3)荒井弘和, 大場ゆかり, and 岡浩一朗. “大学生競技者における心理的パフォーマンスに対するセルフ・エフィカシー.” 体育測定評価研究 6 (2007): 31-38.

4)内田, 昭利(2017)”中学生期における「暗示」の教育的効果”

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です